SMILES観測データ

  • SMILESでは地球の成層圏に微量に存在する分子を観測しています。ここではSMILES観測分子の中でも代表的なオゾン(Ozone), 塩化水素(HCl), 一酸化塩素(ClO), ハイドロパーオキシル(HO2)を表示しています。これら光化学分子は太陽光のあたり方により存在量が変化します。SMILES観測では昼間と夜間における分子存在量の差を確認する事が出来ます。

各高度における分子存在量比。


注1)SMILESは観測中に観測視線上を国際宇宙ステーションの太陽電池パドルが横切る「視野障害」を受けることがあります。特定の緯度に出ている不連続な分布は視野障害が原因である可能性が高いのでご注意下さい。
注2)SMILES観測データは2009年10月12日から2010年4月21日までです。

1日分 | 2日分    ( 2009/10/12 - 2010/04/21 )
O3
O3

オゾン
ozone

成層圏オゾンは生物のDNAにダメージを与える有害な太陽紫外線(UV-B)を吸収します。成層圏オゾンの破壊により地上に到達するUV-B照射量が増大した場合、皮膚がんや白内障の増加、さらに免疫抑制などの人の健康に影響があります。

HCl
HCl

塩化水素
hydrogen chloride

塩素系物質のリザボア的働きをするオゾン破壊関連物質です。成層圏の塩素原子はその多くがHCl分子の形で存在しています。SMILESではHClとClOを同時に観測することが可能です。

ClO
ClO

一酸化塩素
chlorine monoxide

代表的な成層圏オゾン破壊ラジカル物質です。オゾンを触媒的に破壊し続けます。

Cl + O3 → ClO + 2O2 (Clの消費)
ClO + O → Cl + O2 (Clの再生)
-------------------------
正味 O3 + O → 2O2

HO2
HO2

ハイドロパーオキシル
hydroperoxy

上部成層圏におけるオゾン破壊の鍵となるラジカル物質です。

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